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データ用片面2層DVD-RWディスク「VD-W85A」を発売

2007年7月3日 報道発表

世界初*2、大容量データ(8.5GB)の連続書き換え記録を実現する片面2層DVD-RWディスク
データ用片面2層DVD-RWディスク「VD-W85A」を発売
~新開発「インバース・スタック」製法により、高品質で安定した記録層を実現~


データ用片面2層DVD-RW ディスク
「VD-W85A」



 日本ビクター(株)は、書き換え型DVDディスクとしては世界で初めて、片面2層記録を実現し、大容量データの連続書き換え記録を実現したデータ用片面2層DVD-RWディスクを発売します。
 本製品は片面2層DVD-Rディスクなどと同様に、一般的な片面1層記録型のDVDと比べて約1.8倍の8.5GBもの大容量デ-タを連続記録できるため省スペース化が図れ、しかも消去・書き換えができることで高い作業性を実現。くり返し使用でき、再利用可能な、経済的で環境に配慮したディスクです。


品名 型名 愛称 内容 レーベル面 対応する
記録速度
記憶容量 希望小売価格
(税込)
発売時期
データ用片面2層
DVD-RWディスク
VD-W85A RWDL 単品
シルバー
2 倍速
8.5GB
(片面2層)
オープン価格 8月下旬

*:1 「DVD-RW for DL Ver.2.0」規格に対応する機器で記録または再生可能。
*:2 書き換え型DVDディスクとして(2007年7月3日現在、当社調べ)。


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本製品の特長

1.新開発「インバース・スタック」製法により、高品質で安定した片面2層の書き換え記録層を実現

当社独自の「インバース・スタック(対向貼り合わせ)」製法により、高品質で安定した片面2層(Dual Layer)の記録層を実現。データ記録エリアのU溝形成、ならびに当社「両面書き換え型DVD-RWディスク」で培った高精度貼り合わせ技術、また「高速書き換え記録対応DVD-RWディスク」の製品化など業界を先行してきた関連技術をベースに、さらなる高次元の高精度スタンパ成形、記録層形成、貼り合わせなどが要求される本製品の商品化を実現しました。


2.「DVD-RW for DL」方式の2倍速連続書き換え記録に対応

「DVD-RW for DL Ver.2.0」規格に準拠。新開発の高精度な相変化記録層およびその積層構造・組成の最適化、高精度スタンパの採用により、データ記録条件がさらに厳しい片面2層書き換え記録型のDVD-RWディスクにおける高い記録再生データ品質と信頼性を実現。大容量データの2倍速連続書き換え記録を実現し、快適な作業性を実現します。

*本製品に記録・書き換え・消去するには「DVD-RW for DL」への記録に対応した機器が必要です。
*本製品に記録された内容を再生するには「DVD-RW for DL」の再生に対応した機器が必要です。


3.従来品(片面1 層型)の約1.8倍の記憶容量で、大容量データの連続保存に最適

本ディスクの記憶容量は8.5GBで、従来の片面1層型DVD-RWディスクの約1.8倍もあり、従来のDVD-RWディスクの片面では収まりきらなかった大容量のデータをディスク1枚の片面に連続保存できて省スペース化を実現。しかも書き換え可能で多目的に再利用できる、まさに経済的で環境に配慮した製品です。

*正常な取り扱い(使用・保管)により、約1,000回の書き換えができます。


4.くり返し記録や長期保存に強い「キズから100倍ガード」の「HG」シリーズ

記録面は、当社独自の高性能ハードコート処理により、正確な記録・再生の妨げとなり得るキズ、ホコリ、汚れがつきにくく、お気に入りの大切な記録内容を長期間保存するのに適しています。

  1. ハードコートなしのDVDに比べてキズの付きにくさは100 倍以上(当社製品比)。
  2. 帯電防止効果が高く、静電気の発生を抑え、ホコリがつきにくい。
  3. 表面の潤滑性を最適化し、指紋などの油性の汚れがつきにくく、ついた汚れを落としやすい。

5.日本国内での一貫生産による“高品質・高信頼性”ディスク


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企画意図

 現在、記録型DVDディスクの需要は堅調に伸びています。2007年の世界需要予測では、追記型DVDが前年比21%増の5,727百万枚、書き換え型DVDは21%増の495百万枚となっており、これらの合計需要規模は2008 年には記録型CDの需要規模を上回ると予測されています。((社)日本記録メディア工業会、2006年11月発表。)
 最近では、デジタルハイビジョン録画が可能なビデオカメラや、1,000万画素を超えるデジタルカメラなどの普及が進み、個人の扱うデータもますます大容量化する傾向にあります。また、官公庁から一般企業に至るまで電子文書化が進み、扱う電子ファイルが膨大となってきています。そうした中、記録型DVDディスクにおいても、ディスク片面への2層記録により、8.5GBもの大容量データを連続記録できる製品(片面2層DVD-Rなど)へのニーズが高まっています(2006年6月~2007年5月における国内販売数量の前年同月比が連続して約150%以上で推移。ジーエフケーマーケティングサービスジャパン株式会社調べ)。
 しかしながら、DVD-Rなどは1回記録ディスクであり、書き換えはできません。これを書き換え型で実現できれば、大容量ディスクの再利用も可能となり、利便性・経済性がさらに増すものと予想されます。
 そこで当社は、書き換え型で大容量データを記録できる片面2層DVD-RWディスクを新開発し、「VDW85A」として世界で初めて商品化します。「DVD-RW for DL」方式の基本仕様は、DVDフォーラムにより正式な規格として2006年末に策定されたものであり、対応するDVD機器とディスクの組み合わせで書き換え・再生が可能となります。この規格は今後、記録型DVDドライブの標準仕様として採用され、世界的に普及することが予測されます。


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特性表

型番 「VD-W85A」
品名 データ用片面2 層DVD-RW ディスク(「DVD-RW for DL Version 2.0 規格」準拠)
内容 単品(シルバーレーベル)
記憶容量 8.5GB(片面2 層記録)
外径 120mm
内径 15mm
厚み 1.2mm(0.6mm × 2)
基板材料 ポリカーボネイト
記録材料 相変化記録材
形式 片面2 層記録式、相変化書き換え型(くり返し記録可能)
対応記録速度 2 倍速(記録速度: 22.16Mbps)
使用環境 5℃~ 60℃/3% ~ 85%(R.H.)(動作時) ※結露なきこと
原産国 日本


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技術資料

1.新開発「インバース・スタック(対向貼り合わせ)」製法により、高い信頼性と安定性を実現

実績ある当社の記録型DVD生産技術を投入し、「インバース・スタック」方式を基本とする独自の片面2層記録型DVD製法「JIPSDL」により高い品質・信頼性・生産安定性を実現しました。

新開発「インバース・スタック」製法

(1)高精度な記録層形成による高い信頼性

業界最高水準の記録層形成技術により、ディスク各記録層の材料配分や厚さを最適化した多層構造を形成。映像記録の場合、画質劣化の原因となるジッターを抑えるとともに、低エラー、高信頼性を獲得。(→ 2.「PCDL」、「JM-form for PCDL」)


(2)高精度反り抑制技術による高い安定性・互換性

独自の高精度ディスク貼り合わせ技術と記録層形成工程における温度制御技術により、貼り合わせ後の反りの抑制を可能にしたことで、高速回転時でもディスクの傾きと回転の安定性を確保でき、片面2層DVD-RW対応機器間での将来的な互換性を考慮しました。


(3)高精度スタンパ技術と成形技術により安定した書き換え記録の実現

独自の高精度カッティング技術とディスク成形技術により、ディスク記録面全面を均質で最適化された狭トラックピッチ0.74ミクロンの溝形状で形成。さらにディスク記録部分の溝幅、深さ、形状の精度を高め、安定した記録・再生特性を実現しました。(→3.「M2 スタンパー」)

※「JIPS」は、当社独自のディスク製法”JVC Intelligent disc Producing System”の略で、「JIPSDL」とは実績ある独自のディスク製法を片面2層記録型DVDディスクに最適化させたものです。


2.2層書き換え記録を実現する独自開発の高性能記録材「PCDL」と記録層形成技術「JM-form」

  • 高感度、高耐久性を特長とする高性能相変化記録材「PCDL(Phase Change for Dual Layer)」を新開発。2層の記録層とも安定した相変化記録と保存特性を実現。
  • 2層書き換え記録に適した記録層形成技術「JM-form for PCDL」を新開発。これにより、2つの記録層とも全面にわたって特性的なばらつきの少ない均一な記録層形成を実現。
  • 高性能記録材「PCDL」と精密な記録層形成技術「JM-form for PCDL」の組み合わせ、さらに記録層周辺の組成と構造を最適化したことにより、高速2層書き換え記録でも良好なジッター(信号の時間軸のゆらぎ)特性を発揮し、ディスク全面にわたり安定した書き換え記録・再生特性を実現し、低エラーレートを実現。

3.2層記録DVD専用の金属原盤「M2スタンパー」採用

実績ある当社マスタリング技術を活かし、2層記録型DVDディスク専用に「M2(Metal-Metal)スタンパー(記録溝を成形する精密な金型原盤)」を独自開発。記録面の溝幅、深さ、形状を2層記録用に高精度に最適化し、高速でも安定した記録・再生特性を実現。

対向貼り合わせ(インバース・スタック)概念図


(1)ジッター特性が安定し、高精度な記録再生を実現

2層記録方式のディスクでは、重なる2層の記録層の読み書きを行うため、記録の際、より精度の高い記録マークを形成する必要があります。当社はそのデータ記録エリアに高精度の記録エリア「U-Fine Groove」を形成。これにより、理想的な大きさ・形状の記録マークが形成でき、良好なジッター特性を実現しました。


(2)良好な記録再生のために記録層形状を最適化

記録型ディスクの性能には、記録特性と同時にトラッキング、フォーカスなどのサーボ制御が重要な要素となります。当社は、このサーボ制御にかかわる溝幅、深さ、形状を2層記録用に最適化し、高速の2 層記録でも安定した走行性、アドレス読み取りを実現しました。


(3)二層の記録層とも全面にわたり、安定した記録・再生を実現

独自開発の「M2スタンパー」は、大量生産時でも安定した基板の形状を維持し、記録面を高精度に保つことが可能です。これにより、ディスクの全記録面にわたり均質でエラーの少ない記録再生を実現しました。


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[2007年07月03日]